こんにちは、ほくちゃん家です!
みなさんはミステリー小説ときいてどんなものを想像しますか?
ホラーとか、SFとかもミステリーと捉えられるようですが、ほくちゃん家の「ミステリー」が意味するところは、なんといっても推理小説です!
なかでも科学捜査とか警察とかあまり出てこないものが好みで、いわるゆる探偵役が歩き回って調べたり推理するのが好きで、さらにいうと名探偵とかたまらなく大好きです!!
物語終盤で大抵の場合は探偵役がわざわざ登場人物を一箇所に集めて犯人追い詰めたりとかしますが、その直前に読者への挑戦状が挿し込まれたりするともう燃えますよね。思わず読み返しちゃいますよね!読者への挑戦状、最近のだとあまりない気がしますが、、、
そこで今回はミステリー小説のなかでも、探偵小説っぽいもの、ご紹介させてください!ネタバレしないように雰囲気を中心に。
・体育館の殺人 (青崎有吾)
・medium (相沢沙呼)
・名探偵の証明 (市川哲也)
・※準備中
『名探偵に薔薇を(城平京)』 〜探偵小説をお探しならぜひ読んでほしいミステリー〜
『名探偵に薔薇を』は「メルヘン小人地獄」という毒薬を作る童話と、その童話になぞるように起こる見立て殺人「小人地獄事件」を中心とした物語です。ちょっとなに言ってるかわからないと思いますが安心してください。すごく探偵小説です。
もちろん探偵役が事件を推理し、、、という内容の小説ですが、本書の特徴は二部構成のミステリーとなっていることです。
創元推理文庫の1ページ目に”斬新な二部構成による本格ミステリ”と紹介されているように、第一部では「小人地獄事件」を第二部では、小人地獄事件の2年後に起きた事件について語られます。
『名探偵に薔薇を』は、第一部だけではこのタイトルがつくことはなく、あくまでも第一部と第二部で『名探偵に薔薇を』となる小説です。
よくある連作短編小説のように、登場人物たちが同じで、解決する事件が違うという独立した話ではなく、これは二部構成のひとつの小説です。最後まで読み終えるとみえるタイトルの意味を味わってほしい一冊。おすすめの探偵小説です。
『体育館の殺人(青崎有吾)』 〜ココイチおすすめ本格ミステリー作家 読者への挑戦も〜
綾辻行人さんや、有栖川有栖さんなど、本格ミステリーの流れの中でも特に「新本格ミステリー」と呼ばれる作家さんがいます。
ほくちゃん家的なイメージですが、新本格ミステリーは特に、論理性をすごく大事にしているように感じていて、だからこそ安心して読めて、読んでて楽しいのが多い気がして好みです(「いやいやそれはなしだよ」っていうトリックが比較的少ない印象)。
『体育館の殺人』の作者である青崎有吾さんは、新本格ミステリ作家さんの世代と比べると年代的には若いのですが、作風は真正面からの本格ミステリー。現場の状況や証拠からすばらしく理詰めで推理していく過程がたまらないです。
本作は高校の体育館が舞台の推理小説ですが、いわゆる学園ものというほど日常的な学園の風景みたいなのは多くなく、物語が始まるとすぐに事件が起こります。
もちろん探偵役は事件の起きた高校の在学生。彼は校内で暮らしていて、アニメオタクの駄目人間という描写がされており、すべての探偵役に必要とされている「ちょっと変わった人」という特徴がしっかりと与えられています。
一見ライトな感じですが、推理部分はロジカルですし、それを証明するかのようにみんなが大好きな「読者への挑戦」が挟まります。
この「読者への挑戦」はけっこう大変だと思うのですが、あまりに飛躍したトリックだとフェアじゃないとか読者に受け入れられないし、あまりにも当たり前だとそれはそれで読者は満足できなかったりします。
なので読者への挑戦があるミステリーってきっと作者もフェアに記述したという自信があるものが多い印象で、読む側としてもわりと安心できたりします。なのでほくちゃん家的には読者への挑戦があるミステリーは期待して読んでしまいます。
『体育館の殺人』も、さすが読者への挑戦を挟んでるだけあり、ぐいぐい理詰めで進めていく推理パートは読み応えあります。ぜひとも読んでみてほしい探偵小説です。
『medium (相沢沙呼)』 〜霊媒で解決する探偵小説〜
medium (メディウム)、ほくちゃん家的には培地というほうが馴染みがありますが、本書『medium』は霊媒という意味のほうです。
推理作家として事件も解決してきた先生(香月史郎)が探偵役として話が展開、城塚翡翠(じょうづかひすい)というかわいらしい女性ととも事件を解決していきます。
彼女は「死者の言葉を伝えることができる」という霊媒の力を使って事件解決に臨みます。
霊視とか死者の声など、「それができたら犯人すぐわかってミステリーちゃうじゃない」のミステリー小説としては困った能力ですが、本作ではいい具合に制限がかかっているため、ちゃんとミステリーです(たとえば死者の声を聞くには、その被害者が最後にいた場所(犯行現場)でなくてはならない、など)。
読み始めは「霊媒」のルールにちょっと慣れないですが、西澤保彦さんの小説みたいに、きっちりルールに乗っ取って使われるのでズルして犯人当てるような展開にはなりません。
短篇的な個々の事件、その裏では連続殺人事件が起こっており、2人もその事件について調査を、、、という感じです。
おすすめポイントは、城塚翡翠がかわいい(※個人的な見解です)ことです!
あとは霊媒とかちょっと変わった形での事件捜査パートもなかなかです。
この「medium」、なんかのランキングで1位として紹介されていて買ってみたのですが、作者の相沢沙呼さんの本も初めて読むので、なんとなく読んだのですが、読み進めるうちに、「あーもしかしてこれは、、、」となって、後半で「あーやっぱりそうだったか、予想通りのオチだな」となり、終盤で「、、、えっ!?あれ、ちょっと待って!」、とほくちゃん家は序盤中盤、そして終盤での見事な展開にやられました。
騙されたいと思ってるひとに、騙されたと思って読んでいただきたい、探偵小説です!
『名探偵の証明(市川哲也)』 〜はじめての探偵小説にもおすすめ〜
探偵もののミステリーでは大きく2パターンあると思っていて、ひとつは登場人物が探偵役になるパターン、もうひとつは探偵役の職業自体がその名の通り探偵というパターン。
『名探偵の証明』は職業自体が探偵というパターンの小説です。本作の中での探偵は事件を解決するだけでなく、有名人とかタレント的な位置付けとして描かれています。
30年前、数々の事件を解決し名探偵と呼ばれた男も歳をとり、今となっては、、、から話は始まります。過去の栄光やらなかなか辛い感じの名探偵の姿から始まりますが、現代の名探偵として登場する女の子と、新旧名探偵で事件解決の対決をすることになり、、、という感じで進んでいきます。
小説の中でしか登場しない名探偵ですが、本書は名探偵の生き様のようなものを描いた小説です。『名探偵の証明』では事件や推理部分よりも、物語の内容自体がおすすめです。
わりとミステリー小説って、事件が起きて、それを解決して、はい終わりという、トリックがあればいいでしょ的なものが少なくないと思ってますが、本作は人っぽい悩みが名探偵を通して描かれていてすごく好きです。
「きっと名探偵の人がいたらこんな感じなんだろうな」の探偵小説です。
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